
日本企業のビジネスで本当におすすめできる生成AIと使い方5選
いまやChat-GPTだけでなく、多くの生成AIが開発され、提供されるようになりました。
選択肢が増えて喜ばしい一方、「結局、どれを使ったらいいのよ?」と迷うことも出てきたのではないでしょうか。
そこで、ここでは「事業会社の会社員として、仕事に使いやすい」という観点でおすすめの生成AIを紹介したいと思います。
もちろん、業務用のAIはRAGなど自社オリジナルの環境を用意している企業様が多いと思いますが、ここではそういったものがない場合に、無料もしくは少額で利用できるものをご紹介します。
また、当団体では生成AIを使って社員様の業務効率を上げるための様々な研修もご用意しておりますので、ぜひそちらもご覧頂けましたら幸いです。
目次
調査・情報収集には:Perplexity
検索エンジンに代わり、生成AIで情報収集する方は増えているのではないでしょうか。
「調べものを尋ね、要約した回答を得る」ことは、ビジネスパーソンが生成AIを使うにあたって一番に思いつくケースであり、実際によくあります。そのため、これはChat-GPTでも、Geminiでも、Copilotでもほぼ同じことができます。
では、なぜPerplexityが調査・情報収集に向いたAIと言えるのでしょうか?それは、回答の根拠が非常に見やすくまとめられ、また関連質問として深掘りが容易であるからです。
仕事で調べものをする場合、情報ソースがどこで信用できるのかはとても重要になります。また、情報の引用元を記載する場合、当然ですがなんとなくの記載ではNGです。Chat-GPTやGeminiなどは、その回答の根拠(引用元)がパッとでてこず、またハルシネーション(それらしい嘘)の問題もあって、回答が正しい情報か判断するのに少しだけ時間と手間がかかってしまいます。
その点、Perplexityは回答の根拠として、参照したWEBページが一覧表示されています。ワンクリックで原典を確認でき、人の目で周辺情報もチェックできることが調査効率を押し上げてくれます。
また、調査を深掘りしようと追加質問を投げるとき、Chat-GPTでは自分で質問文を書かねばなりませんが、Perplexityでは関連タブに出ている質問をワンクリックすると深掘りできるため、ひと手間が楽なのです。仕事で調査しているときは、このひと手間がチリツモで効いてきたりします。
他にもPerplexityは、例えば検索ソースを論文や特許だけに絞り込んだりもできるので、その点も仕事の調査には便利です。無料でもかなりのことができますし、ソフトバンクユーザーには特典があるのも嬉しいです。
ただし、検索精度そのものに関しては、GeminiやCopilotが追い付いてきているという印象もあります。
スライド作成補助には:Gamma
会社員であれば、社内用・社外用問わずPPTスライドを作成する機会は多くあると思います。
これはかなり時間がかかりますし、本来やるべきことに割く時間を圧迫するという本末転倒なことも起きているかもしれません。例えば、営業マンが顧客と話す時間を減らして社内資料を作る、技術開発部が実験や試作をする時間を減らして社内資料を作るといったことは、日本の大企業あるあるでしょう。
話したい内容をWordやメモ帳の文章で整理してGammaに渡すことで、ざっくりPPTスライドにしてくれます。
もちろん発表内容の文章自体もAIに作成してもらうこともできますが、さすがにそれでは内容が薄すぎて役に立たないと思いますので、そこは担当社員であるあなたが担いましょう。それでも、ざっくり図形を作って配置して、サイズや色味を合わせて…といった作業を自動化できるだけでも随分時間の短縮になります。
なお、この作業はCopilotでもできますが、いまのところGammaの方が見栄えよく、適切な仕切りや形で作成してくれる傾向があるように思います。またGammaは同様の手順でWEBページ化もできるので、プレゼンの幅を広げることもできます。
ただし、あくまでざっくりスライドを作るものと心得て、過度な期待は禁物です。生成されるスライドのクオリティは、「大学生のゼミ発表くらいなら、なんとか使えるかな…」といったところで、仕事レベルのものが一発で生成できることはありません。
生成後のスライドを基に人が修正をかけていくわけですが、逆に言うと修正で済むので、ゼロから作るよりははるかに速いです。ポンチ絵を考えたり図形の形を気にしたりといった手間も減るので、脳疲労を軽減して他にリソースをさくこともできます。
Pythonなどのコード作成をしたいなら:Claude
Claudeは、OpenAIの企業姿勢に疑問を呈して退職したエンジニア達が立ち上げたAnthropic社のAIです。
雰囲気としてはChat-GPTやGeminiに近いものですが、特にコード生成に関してはこれら大手よりも精度が高いと言われています。また、Slack連携が比較的簡単にできる為、Slackに常駐するチャットボットとしてメンバーをサポートするといった用途にも便利です。文章自体も、自然さのレベルはかなり高いと思います。
もしもあなたのチームがSlackを使っていて、日々細かな質問が飛び交って時間を消費してしまっている、コードへの質問が頻発しているなどの状況であれば、Claudeによってかなり業務効率を改善できるかもしれません。
こうきくと、IT企業や情報システム部門の方におすすめのように聞こえますが、もしあなたがユーザー部門の方であったとしても、Claudeが活躍する機会はあると思います。
いまやプログラミングの知識がなくとも、簡単な分析をしたり、アプリを作ったりできる時代です。ユーザー部門としてふと困ったことがあれば、ClaudeにPyhthonコードを書いてもらってみてはいかがでしょうか。
Excelをもっと効果的に使いたいなら:Numerous
会社員であれば、多かれ少なかれExcelの操作は必須だと思います。その昔、関数やマクロを必死に覚えたという方も少なくないのではないでしょうか。
NumerousをExcelに常駐させると、関数を知らなくとも、マクロを知らなくとも、VBAを知らなくとも、文章でやりたいことを指示できるようになります。
SUM関数の代わりに「合計値を出して」ということもできますし、特定のデータを抽出するなどピポットテーブルの代わりもできるでしょう。
また、単なる関数では難しかった処理も可能です。例えば、Excel上で日本語⇔英語の翻訳をしたり、Excel上にある口コミ一覧データを分せkしてPositiveな口コミとNegativeな口コミに仕分けたりすることも可能です。
Excelに不慣れな方へのサポートとしても、業務効率化としても活用が期待できます。
PoCの作成なら:Replit
自分のアイデアを人に伝える為に、ちょっとしたアプリを作って見せちゃいたい、という場面に遭遇したことはないでしょうか。
ただ、もちろんポックを作成するにはプログラミングの知識が必要ですし、誰かに依頼するなら、まずその人にアイデアを伝えて、認識を合わせて、それから作って…とその時点でかなりコミュニケーションが必要になります。もちろん、そうした手間もコミコミとなれば費用もそれなりにかかってきます。
そんなときに役立つのがReplitです。
元はWEBブラウザで実行可能な開発環境を提供しているツールでしたが、Replit Aiでは、アプリの要件を伝えるだけでソースコードを自動生成してくれるようになりました。特にJavaやPythonはよく書けるといわれ、上記のClaudeふくめ、プログラミングの知識がない方でもアプリ作成にチャレンジできます。
また、自分でコードを追加したり等もできますが、その際もし間違っていた場合、補完したり修正したりもしてくれるので、デバッグの負担も軽減してくれます。
色々なAIが日進月歩で登場。仕事の効率はあげられる。
ここまでご紹介したように、GPT、Gemini、Copilotといった生成AI以外にも、いまや様々な選択肢があります。
それぞれに特徴やクセもあるので、用途に適したAIを使うとよいでしょう。また、特に伝統的な日本の大企業の中には「まだまだ生成AIなんて仕事では使えないよ」とみる向きもあるかもしれませんが、なんとなく生成AIを使えというのではなく、上記のように日々の仕事と絡めて考えると、効率化に使えそうだなというイメージもかなり見えてくるのではないでしょうか。
私たち新技術応用推進基盤では、生成AIを活用できる人材の育成、生成AIを使った業務効率化や事業創出のご支援といった文脈で、法人研修やセミナーなどを数多く開催しております。
ぜひこれを機会に、生成AI活用についてご検討いただき、貴社の成長へとつなげて頂きましたら幸いです。
